材料探しの旅2「いざヒノキの枝採り決行」
ヒノキを伐倒しないで枝だけ頂戴できないか‥
会議では、ヒノキの枝を安定して入手するためにどんな方法があるのかも議題に上がりました。
前回のブログ、「材料探しの旅1」でも取り上げたように、必要とするヒノキの枝が採れる現場は非常に限られます。
では例えば、目当ての枝が沢山とれそうなヒノキを、伐倒することなく枝だけ切り落として利用できないか。伐倒しないのであれば、ヒノキの大木自体は珍しくありません。
枝だけ切ると好都合?
植栽したスギ・ヒノキの保育事業では枝打ちをすることで木材の価値を高めます。また、枝を打つことで周りの林が明るくなることも木の生長を助けます。
いいこと尽くめならだれか大木に登って枝を切れる人は・・・
なんて考えを巡らせながら色々調べたり聞いたりしていると、現実は想像とはかけ離れていて、これにはいくつかの問題がありました。
枝打ちの効果と問題点
まず、枝打ちをする時期は基本的に幹がビール瓶の太さ程度からはじめ、およそ35年生くらいまで行います。当然100年生のヒノキの枝打ちなんて聞いたことがない、とのこと。
また、枝打ちは木材の節を隠し、幹を真っ直ぐにする効果がありますが、それは人が木を木材としてみたときに期待する効果であって、木の生長からみると枝打ちは当然その木にとって少なからず負担となる、とのこと。
木は葉が減る分だけ生長が遅くなって、周りの環境の変化に対応しづらくなります。そして、枝の切り口を樹皮で覆うために余分なエネルギーを消耗します。
100年生のヒノキの枝を切りすぎると‥
これらのことから、もし100年生のヒノキの枝をどんどん切り落としたらどんなことが起こりそうか、だいたい想像できそうです。
100年経って残されている枝は、すでに淘汰された後の枝であり、そのヒノキにとっておそらく非常に重要な枝葉であろうこと。生長が鈍化した木にとって枝葉を急に失うという変化に対応する樹勢はおそらくないだろうこと。
そして、切り落とされた枝の切り口を樹皮で覆う再生能力が乏しく、切り口はそのまま残され、雨水や菌の侵入によって腐りが入る可能性があるということです。
木の価値が下がる可能性がある以上、所有者に枝だけ切らせてもらう承諾はいただけません。
これはもう、大きなヒノキを伐倒した後の現場で枝を採るしかない。
ついに決行の日
そうして2019年1月24日午前10時、ヒノキの枝採りが決行されました。
良く晴れたこの日、枝採りメンバーが中濃森林組合洞戸支所に集合しました。
森林文化アカデミーのナバさん、ユタさん。ツバキラボの和田さん。関市役所農林課の吉田さん。中濃森林組合の大嶽。
年末にスギ・ヒノキを伐倒した洞戸の現場に向かいます。
現場の山は日差しの届きにくい場所で、日当たりと水はけの悪さから足場もぬかるむ中、作業は順調に進みトラックいっぱいのヒノキの枝が集まりました!
からだを使って作業した後、暖かな日差しの中みんなで食べるお弁当は最高ですね!!
次回は材料探しの続編をお知らせします
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