morinocoナイフ 材料探しの旅1 「中濃森林組合としてできること」

活動

中濃森林組合 造林課の大嶽和憲と申します。

2019年最初のmorinocoナイフ会議に初参加させてもらいました。

僕が中濃森林組合としてこのプロジェクトに参加させてもらった理由は非常に明快で、ナイフの柄、ヒノキの枝材、まさに材料が採れる場所を提供することです。

しかし提供するといっても、中濃森林組合が山林を直接所有しているわけではありません。山林の所有者がみえて、組合が委託を受けて山林の整備をしています。なので、山林の整備をするときもそうですが、ヒノキの枝を採取するときも山林所有者の方々の同意と委託を受けての作業となります。

morinocoナイフ 中濃森林組合 枝葉活用

中濃森林組合は約4000人の組合員によって成り立つ団体です。morinocoナイフはこの地域の木材に新たな活用分野を広げるというだけでなく、関市の伝統や技術の継承、地元産業の後押しともなり、その活動は多くの組合員、そしてこの地域にくらす人々を豊かにするものでもあると思います。

中濃森林組合としてできる限り協力していかなければ、そう思います。

morinocoナイフの材料集め・・少し不安が・・

会議で吉田さんがmorinocoナイフの材料となるヒノキの枝を持ってこられました。

morinocoナイフ 中濃森林組合 枝葉活用

「これくらいのものがあれば十分なんで」との言葉に、「これくらいのもの、用意できるかな・・」と少し不安が・・。

現物もあって必要とされているものは非常に分かりやすい。なるべく真っ直ぐな、生育時に横に伸びたヒノキの枝で、直径5cm以上、長さ80cmくらいのもの、といったところです。

でもこれ、あるかな・・。

この枝だと、樹齢80年以上、日当たりのよい環境で良く枝を伸ばしたもので、しかも運び出すために道から近いところにあるヒノキが伐倒されることが条件になりそうです。

材料集め、決行日のタイミングは

morinocoナイフ 中濃森林組合 枝葉活用

間伐現場での作業の流れを簡単に示すと、

1. 伐倒する。
2. 重機などをつかって伐倒木を作業場へ引き寄せて集める。
3. 造材をする。造材とは、木材の枝を払い、適切な長さにカットすること。造材によって出た梢端材や枝葉は作業場近くに寄せておく。
4. 造材した木材を土場へ運搬する。

土場に集められた木材はトラックで市場などに運搬され、その後現場に残された梢端材・枝葉は運び出され、山林をきれいにします。

現場作業の一連の流れをみると、ヒノキの枝を採るためには造材が始まった時点から梢端材、枝葉が運び出されるまでの期間になります。
また、目当てのヒノキが存在する現場であるかどうか、そしてなにより、そのようなヒノキを伐倒、搬出することを山林所有者が望まれるかどうかが、枝を採るための条件になりそうです。

枝葉の活用につながるか?!

少し話はそれますが、近年バイオマスエネルギーの普及が少しずつ拡大していて、建築材などとして利用できないC、D材といわれる木材や梢端材はチップ材として出荷されており、無駄のない間伐材の利用の仕組みができてきています。今後バイオマスエネルギーがどれ程普及するかによって木材の流通の形も多少変化していくかもしれません。

ただ現在のところ原則として枝葉の買い取りはされていません。山林の整備のために枝葉は回収していますが、有効に利用されず処分されていることになります。もしmorinocoナイフによって枝の買い取りが可能なシステムができれば、新しい木材活用の分野として重要な役割を担えるかもしれません。また、それは私たちが望む山村の活性化につながるだろうと思います。

次回は、実際に枝を採った現場での様子をお伝えする予定です。

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  1. 2019年 3月 01日

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