「morinocoナイフ」はこんな思いから誕生しました
岐阜県立森林文化アカデミーのなんちゃって先生 萩原・ナバ・裕作です。みんなから「ナバ」と呼ばれています。
今日は、なぜmorinocoナイフがこの世に生み出されたのか、僕の思いをブログに記しておきたいと思います。
「刃物のまち関市なのに、どうして子どもたちはナイフを使ってないの?」
僕のそんな素朴な疑問からスタートした「morinocoナイフ」プロジェクト。
翌年には、産(石川刃物製作所、ツバキラボ)、官(関市農林課)、学(森林文化アカデミー)によって構成されたプロジェクトチームが発足していました。それは、ユーザーとなる子どもたち、親たち、教育者たち(民)も巻き込んだ産官学民のプロジェクトに発展していきました。
手描きのイメージスケッチをたたき台に会議がスタートし、「とにかく使ってもらって、意見を聞こう!」と、森のようちえんやプレーパークの子どもたちにサンプルのナイフを握り比べてもらうことから始まりました。
やがて思いはどんどん広がりました。
・名前は「morinocoナイフ」にしようよ。
・ペットのように持ち歩けるナイフだといいなぁ。
・ブレードは手を抜きたくないね。
・手入れをすることも大切にしたいから鋼を入れた3層鋼にしようよ。
・ハンドルは手に馴染んで温もりを感じる木がいいよね。
・曲線的なデザインがいいなぁ。有機的な。
・ハンドルの素材は、美しくて丈夫で軽いのに用途のない「ヒノキの枝」はどう?
・「100% Made in 関」を目標にしたいよね。
・つくり続ける、開発し続けるナイフにしようよ?
・ワークショップを続けてどんどんフィードバックをもらおうよ。
・生産者と消費者に分かれた一方向的な流れじゃなくて、みんなで一緒に考えて作るとか?
・モノを売るだけじゃなくて、ナイフ教育も同時に広めていきたいよね。
・将来は、関市の子どもたちがみんな持っているナイフになるといいなぁ。
・少なくとも学校で鉛筆削るのは全てナイフで削ってたりして。。。
・ナイフ一本で創る喜びを広めていきたいなぁ。
課題があるから面白い!不器用でベタだけどワクワクするのがmorinoco流
いつしか、単なるナイフの開発ではなく、「子どもとナイフ」をテーマに、メンバーたちは、社会の現状や課題にぶち当たり、いろんなことを考え、話し合い、挑戦し続けてきました。
「ピッ」と注文すれば翌日商品が届き、道具は使い捨て、大量生産、個性やクセのない商品、簡単便利で加減のいらない道具たち、過剰サービス、何かあればすぐにクレーム。。。
子どもたちの環境を見ても、遊びは全て「受け身」、「危ない」ばかりでケガさせてもらえない、道具ではなく商品ばかり、野山に囲まれていても遊ぶことなし、学校ではカッターですら規制の対象。
こだわりの三層鋼や強い思いから選んだハンドルの素材、ヒノキの枝は、簡単には僕たちの思いを実現してくれません。枝は加工が難しく、ズレや狂いが多くなかなか手強い素材です。でも諦めずに今なお素材と向き合いながら安定した加工方法を検討しています。
課題があるから面白い! 決してスマートな方法ではなく、ベタで不器用な、でもどこかワクワクする活動、それがmorinoco流なのかもしれません。
遊びを創り出す子どもたちは、責任をもって行動する大人へ
さぁ、人類が初めて手にした道具でありながら、私たち大人が奪い続けてきた「ナイフ」を、もう一度子どもたちの手に戻しましょう。
そして子どもたちがナイフを片手に野山を走りまわり、いろいろな遊びやものをつくりだし、そして責任を持って行動する、そんな社会を目指しませんか?
そのためには、私たち大人が、そして社会が成熟する必要があるようです。もちろん楽しみながら!!
そんなワクワクするような社会をmorinocoナイフをきっかけにして、みんなで一緒に目指していきませんか?
岐阜県立森林文化アカデミー
なんちゃって先生 萩原・ナバ・裕作
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